2014年 06月 06日
『ホール建築』 さて、定期演奏会。 東京オペラシティ、オーチャードホール、サントリーホールのどこにしようか? と考えたときに、指揮者・曲目も大事ですが、どの空間で聴きたいか、も、建築に携わるものと しては、大きなウエイトを占めているわけでして。 (みなさんそうだとは思いますが、設計の立場としてという意味で) オペラシティコンサートホールは、長方形の平面を持つ、シューボックス形式。 音が良いホールをつくりやすい形式と言われています。 そして、このホールは変形ピラミッド形状の天井、 室内は天然木(ヨーロピアンオーク)で仕上げられており、豊かな低音を確保することができます。 スピーカーも、木でできたものは、低音の響きが美しいですよね。 建築家の柳澤孝彦さんが音響コンサルタントと組んで調査・分析を重ね生み出された空間で、 NYでも音の良いホールとして記事に取り上げられたとか。 オーチャードホールも、シューボックス形式です。 コンサート以外の、バレエ、オペラなども行われるため、舞台に可動式音響シェルターが設置されています。 サントリーホールは、ヴィンヤード(ぶどうタナ)形式。 客席がブドウ畑のように(段々畑のように)ブロックに分割されている形で、 音響的にも視覚的にも演奏者と聴衆が一体になれるといわれています。 世界的な指揮者、カラヤンがこの形式を勧めたとのことで、完成時の音響実験にも立ち会っているそう。 カラヤンが首席指揮者を務めていた、ベルリンフィルも、ヴィンヤード形式ですよね。 学生時代に『サントリーホールはすばらしい!』と授業で習い、初めてホールで演奏を聴けたときは、とても誇らしく、贅沢に感じたものです。しみじみ。 ふ〜、ここまでで、記述の熱の入り方が違う。 そう、サントリーホールか、オペラシティのどちらかにしたかったのですね。 仕上げ、形で音が全く変わってきてしまうコンサートホールは、楽器そのものです。 ☆
by studio5st
| 2014-06-06 17:03
| 音楽・美術
|
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